NISA(ニーサ)とは少額投資非課税制度のことであり、日本における株式や投資信託の投資金における、売却益と配当への税率を一定の制限の元で非課税とする制度。特定の金融商品を指すものではない。Nippon Individual Saving Accountの略。

NISAの制度概要

NISAは2014年からできた日本独自の制度であり、以前よりあったイギリスの少額投資非課税制度を参考につくられたと言われています。

しかし最近ではこのNISAという言葉が独り歩きしてしまい、一種の金融商品であるかのように勘違いしてしまっている方も増えているようです。

NISAはあくまでも制度の名称であり、金融商品そのものではないことをまずは押さえておきましょう。

まずNISAという制度を理解する上で最も大切なキーワードは、「非課税」です。

現在の日本の税制上では、私たちは働いて得た収入から、所得税や住民税を納める義務があります。

同じように給与以外で収益を得た場合も、何かしらの項目で税金を支払うことが税法で定められているのです。

そこで、いわゆる「投資」によって得た利益にも課税がされることとなります。

例えば投資していた上場株式の株価が上がり、売却して得た利益には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の譲渡所得税がかかります。

つまり100万円投資して10万円利益が出た場合は、その10万円から20,315円が引かれて手元に入るのです。(元本そのものや損失が出た場合には課税されません)

NISAは、株式や投資信託で得た利益から本来差し引かれる税金を非課税にできる制度です。

対象商品は上場株式公募株式投資信託ETF(上場株式投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)などで、これらから得た譲渡益(売却益)、配当金、分配金が非課税となります。

NISA口座を開設することで非課税枠を得られるため、既に少額の投資をしているが税金が引かれている方や、これから投資を始めようと考えている方に向けた有効な制度となっています。

NISAの種類

2022年現在、NISAには4つの種類があり、それぞれについて非課税額、投資対象、運用期間の定めがあります。これら4つの詳細については以下の通りです。

現行では4種類ありますが、「一般NISA」と「ジュニアNISA」は2023年をもって新規の口座開設ができなくなります。よって2024年以降は「新しいNISA」と現行の「つみたてNISA」の2種類に切り替わることとなります。

注意すべき点は、投資している資産全額が非課税対象になるわけではないことです。

一般NISAの場合は、年間120万円までの投資にかかる譲渡益、配当金等という上限が設けられているため、120万円を超えて運用している分については従来通り課税がされます。

また対象商品について、債券や公社債投資信託、外貨MMFなどは対象外となるのでこちらも注意が必要です。

NISAのメリットとデメリット

NISAのメリット

・投資で得た利益が非課税になる

前述の通り、株式や投資信託への投資で得た譲渡益、分配金、配当金については定められた範囲内において非課税になります。NISAの最大のメリットはこの非課税枠を獲得できることです。

・投資回数に制限がない

NISAは対象となる年間投資額が制度の種類ごとに定められていますが(詳細は2.NISAの種類を参照)、投資上限枠内であれば、投資回数(商品を購入する回数)に制限がありません。

つまり1つの銘柄に上限いっぱい投資するだけでなく、複数の銘柄に分散投資することも可能であるため、資産分散によるリスクヘッジにも対応しています。

・確定申告が不要

NISA口座の中で発生した利益についてはすべて非課税であるため、確定申告により税額を申告する手間が省けます。

・ロールオーバーで期間延長できる

一般NISA(2024年からは新しいNISA)とジュニアNISAについては非課税期間が5年間と定められていますが、5年目に翌年の非課税投資枠を利用して資産を移し替えることで(ロールオーバー)、資産を売却せずに保有し続けることができます。

しかし、時価総額が120万円を超える場合は、翌年の非課税投資額を使い切ることになるため、新たな非課税枠への投資はできないので注意が必要です。

また、つみたてNISAについては元々の期間が20年と設定されているためロールオーバーはできず、課税口座へと移管されます。

NISAのデメリット

・損益通算ができない

一般的に複数銘柄に投資している場合、利益の出ている銘柄と損失が出ている銘柄があるときは、利益と損失を相殺することができるようになっています(損益通算)。

損益通算をすることで、課税される金額を少なくすることが可能となります。

しかし本制度の留意点として、NISA口座内で損失が出ていて、他の課税口座で利益が出ている場合は、損益通算が適用できないこととなっています。

つまり課税口座で出た利益についてはその利益全額に対して課税されることになります。

・繰越控除が使えない

上場株式などの譲渡において損失が出た場合は、3年間繰り越すことができます。

つまり、損失が出た年度から3年以内に譲渡益などの利益が出た場合は、確定申告をすることで各年度の「株式等譲渡所得」から損失分を控除することが可能になるのです。

しかしながらNISAは制度上、利益が出ても非課税になることがあらかじめ決まっているため、損失が出た場合も税務処理上は損失扱いにならないことになっています。

そのためNISA口座内で出た損失については他の利益と相殺することができないこともデメリットの1つとして挙げることができます。

ここまでご紹介してきたように、NISAは税金対策として非常に有効な制度です。

メリットとデメリットを勘案しても、少額投資を継続したい場合にはおすすめの制度であるため、積極的に活用してみていただけると良いのではないでしょうか。

次回の記事ではNISA口座の開設方法や、実際にNISAを使って投資を始める方法についてご紹介しますので、興味を持たれた方は是非ご覧ください。