デリバティブ取引とは

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金融商品(通貨、株式、債券、為替、預金、ローンなど)のリスクを下げたり、リスクを取ってリターンを上げたりすることを目的としてできた「金融派生商品」。

派生商品であるため、元となる金融資産(原資産)との関連性が強いうえに、それ以上の応用的な知識を要するため、金融商品に対する副次的な理解が必要となる。

デリバティブ取引をわかりやすく理解する

私たちは日々、生活の中で様々な金融商品を利用しています。例えば預貯金、株式、為替、住宅ローンなどその範囲は非常に広範かつ多岐にわたります。

デリバティブ取引は、これらの元となる金融商品(原資産)に対して付加価値をつける枝葉の部分を担っており、その付加価値の種類もさらに多岐にわたることから、金融派生商品として一括りに扱われています。
例えば付加価値の種類として、原資産が元来持つリスクを軽減したり、逆にリスクを取って大きなリターンを期待したりするといったリスク・リターン管理のための取引などもあります。

デリバティブ取引の種類

デリバティブ取引という名称は、英語の「derivative:派生的、副次的」が由来となっています。前節では金融派生商品であると表現しましたが、具体的にどのような種類の取引があるのかをここでは見ていきましょう。

デリバティブ取引は大きく分けて3種類に分類されます。またその分類の中からそれぞれ商品が細かく分かれているため、デリバティブ商品だけでも相当数存在することになります。

① 先物取引

ある商品(原資産)を、将来決められた日(期日)に、取引時にあらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引です。

株価指数先物(日経225先物など)、為替予約(ドル円など)、商品先物(原油、金など)が主流となっています。

例えば、運送業者が日々の活動に欠かせないトラック。その燃料である軽油の価格は、日々変動しています。そうなると、運送業者にとって大きな経費となる軽油の価格変動によって、会社自体の利益にも大きな影響をもたらすことになります。

このような場合、軽油先物取引をすることで、あらかじめ決めた一定の価格で将来にわたって軽油を仕入れることができます。これによって運送業者の経費の安定化を図ることができるわけです。

上記の例は、商品を現受け(商品の現物を受け取ること)を目的としていましたが、実際の先物取引市場では現受けすることは少なく、反対売買(買い注文をした場合、現受けする前に売り注文を入れる)ことによって取引を完了させる投機的な売買が主流となっています。

反対売買の仕組みについては「デリバティブ取引についてもっと理解する」で詳しく説明しますので、そちらも合わせてご覧ください。

② オプション取引

ある商品(原資産)を、一定期間内に取引時にあらかじめ決めた価格(権利行使価格)で買う権利または売る権利を売買する取引です。

突然ですが、車を買うときを思い浮かべてください。車のグレードや色などがだいたい決まったあと、外装のパーツを少し格好よくしたり、内装のシートを本革に変えたりと少し遊び心をくすぐる提案があるかと思います。

これらはあくまでも付けるか付けないかは自由なもので、その選択権は車の購入者本人に委ねられることになります。このような選択権のある商品を「オプション」と呼びます。

デリバティブにおけるオプション取引も同じように、実行するかどうかは本人に委ねられます。では何を売買するのかというと、その商品を「買う権利」または「売る権利」を売買することになります。

売買するものは「権利」なので、権利の期日が到来したときに、権利を行使するか、放棄するかは権利者が選択することができます。

権利を放棄した場合のデメリットは、権利を買う際に支払った代金がムダになってしまうという点です。そのため、ノーリスクで権利放棄できるわけではないことには注意が必要です。

しかし、先物取引と比べ、売買を約束するものではない点が魅力の1つでもあります。

最悪の場合、権利を放棄することができるのが、先物取引とオプション取引の大きな違いといえます。

③ スワップ取引

ある商品(原資産)における、将来発生する利息を「交換」する取引です。

同一通貨の異なるタイプの利息を交換する「金利スワップ」や、異なる通貨の利息などを交換する「通貨スワップ」が代表的です。

金利スワップは、住宅ローンなどで用いられることが多く、金融機関を通して行われることが多いのも特徴です。

例えば住宅ローンを借りているAさんとBさんがいたとします。

Aさんは固定金利で借りているものの、将来的に金利が下がると予想しているため、できれば変動金利に換えたいと考えています。

一方、Bさんは変動金利で借りているものの、将来的に金利が上がることを懸念して、固定金利に換えたいと考えています。

このような場合は、金利スワップ(交換)を活用することで2人の悩みを解決することができます。

もしAさんの固定金利ローンとBさんの変動金利ローンを交換することができたら、一件落着になりそうです。

しかし、別々の物件に対する債務者を交換するというのは、さすがに金融機関でも許してくれることではありません。

そこで金利だけを2人で取り決め、AさんはBさんの変動金利分をBさんに支払い、BさんはAさんの固定金利分をAさんに支払うことで、それぞれの金利を事実上、交換することが可能となるのです。

ここまでご紹介した3つのデリバティブ取引例はあくまでも一例にすぎません。

実際には、商品先物だけでも金、原油、ゴム、大豆など様々な商品があり、日々相場が変動しています。

このような煩雑さも、デリバティブ取引の難しいイメージをつくる要因となっているのではないでしょうか。

しかし、リスクとリターンを理解すればとても有効な取引手段となりますので、より詳しい「デリバティブ取引についてもっと理解する」でさらに知識を習得してみてください。